DX推進のチームに配属されました!
はじめまして。廣瀬製紙株式会社 稼働率向上プロジェクトチーム A.Mと申します。この度、廣瀬製紙株式会社のDX推進のためのチームに配属となりました。
以前はIT業界に勤めており、WEB系のエンジニアとして勤務していました。そんな私が製紙業界に転身したのには、ちょっとした理由があります。
目次
高知の中小企業に転職したワケ
私は育ちは金沢・名古屋なのですが、生まれは高知県高知市です。
子供の頃から夏休みや正月には決まって高知の祖父の家に遊びに来ていました。カツオのたたきやお祝い事にはさわち料理を食べたり、山に入って文旦(ぶんたん)をとったり…。何より祖父との思い出がたくさん詰まった高知は、私にとって特別な場所でした。
祖父が他界してからは家が空き家になり、手放してしまおうかと家族で話し合っていました。
私にとっては思い出深い家。「この家で暮らせたら素敵だな」と妻と話していたところ、偶然にも廣瀬製紙株式会社の求人を見つけました。和紙の伝統を受け継ぎながら、高い技術で製造業の未来を切り開いていこうとする企業姿勢、また配属先のチームの個性的な面々に強く惹かれ、転職を決意しました。
現在は妻とふたり、祖父の残してくれた家で暮らしています。朝晩に眺める高知の山々に心が癒されます。大好きな土地で、大好きな仕事ができる幸せをかみしめながら、日々新しい挑戦を楽しんでいます。
これからは、私のWEBエンジニアとしての経験を活かしながら、製紙業界のDX化に貢献していきたいと思っています。
稼働率向上プロジェクトチームについて
私が所属することになったのは「稼働率向上プロジェクトチーム」。名前の通り、生産設備の稼働率向上を目指すチームなのですが、実際の業務内容はそれだけにとどまりません。
機械学習を活用した画像認識システムの開発や、CFD(流体解析)による物理モデルの構築など、デジタル技術を駆使したプロジェクトに携わることができます。いずれも、WEBエンジニアとしては味わうことができなかったとてもやりがいのある研究テーマ。日々新しい発見があり、エンジニアとしてわくわくする場面が多々あります。
ただし、現状では解決すべき課題も山積みです。というのも、DX化どころかその前段階の「IT化」でさえ、まだまだ発展途上なのです。例えば、重要なデータがエクセルベースで管理されていたり、部署間でのデータ共有がスムーズでなかったり…。
そこで私は、「まずは基礎となるIT環境の整備から」という方針を掲げました。地味な作業かもしれませんが、これこそが真のDX実現への第一歩。新しい技術の導入と並行して、こうした基礎固めにもしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
情報が整理整頓されていない
そんな当社においても、各工程における稼働状況や品質データなどの記録はきちんと記録する習慣ができています。データの重要性を理解し、現場の従業員一人一人が丁寧にデータを残してくれています。
ただ、気になるのがそのデータの保管方法です。エクセルやPDF、時には手書きの報告書をスキャンしたものなど、様々な形式のファイルが共有フォルダに保存されています。フォルダ構造も担当者によってバラバラで、統一されたルールもなく似たような名前のフォルダが複数存在している状態です。
このような状況では、過去のデータを探そうとしても、どのフォルダに保存されているのか、そもそもそのデータが存在するのかさえ把握できません。例えば、特定の製品の不具合対応時に過去の類似事例を参照しようとしても、関連データの検索に膨大な時間がかかってしまいます。
せっかく現場で丁寧に記録されたデータが、十分に活用されないまま眠ってしまっているのです。まさに「宝の持ち腐れ」状態と言えるでしょう。
このような課題を解決するには、データベースの導入が不可欠です。データを一元管理し、必要な情報に素早くアクセスできる環境を整えることで、現場の知見を企業の財産として有効活用できるはずです。
データベース運用に向けて
データベースの構築は、単にデータを保存する場所を作るだけでは意味がありません。私たちが目指すのは、必要な時に必要な情報をスムーズに取り出し、業務改善や意思決定に活用できる仕組みづくりです。
そのためには、全社員がデータの重要性を理解し、日々の業務の中で確実にデータを入力・保存する習慣を身につける必要があります。「面倒くさい」「今までどおりでいい」という声も上がるかもしれませんが、地道な啓発活動を通じて、データ活用の文化を根付かせていきたいと考えています。
さらに、集めたデータを会社全体の効率化につなげるには、現場の業務フローを深く理解することはもちろん、経営的な視点で全体最適を考える力も求められます。データベースの構築は、技術的な課題である以上に、「人」と「組織」の課題なのです。
まずは小規模なプロジェクトからスタートし、実際に運用しながら課題を見つけ、改善を重ねていく予定です。一朝一夕には理想的な形にはなりませんが、トライアル&エラーを繰り返しながら、粘り強く取り組んでいきたいと思います。
最後に
製造業は私にとって未知の世界でしたが、高知に来て1ヶ月が経ちました。会社の仲間たちはとても優しく親切な方ばかり。休日には新鮮な食材が揃う日曜市で買い物をしたりと、想像以上に充実した暮らしを送ることができています。
廣瀬製紙は高知県に本社を構える中小企業ですが、和紙の伝統技術を活かした湿式不織布の製造で、独自の存在感を放っています。まだまだ発展途上の部分も多いですが、それは裏を返せば「伸びしろがたくさんある」ということ。今回のDX推進による効率化でも、改善に取り組めば取り組むほど、目に見える成果が期待できる環境だと実感しています。
オフィスの周囲は、牧歌的な田園風景が広がっています。こんな豊かな自然に囲まれた環境で、伝統と革新が共存する廣瀬製紙の未来づくりに携われることを、とても幸せに感じています。
これからも高知の豊かな暮らしを満喫しながら、廣瀬製紙の可能性を最大限に引き出せるよう、一歩一歩着実に歩んでいきたいと思います。