廣瀬製紙株式会社

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【DX奮闘記】会社の血のめぐりをよくすること

公開日:2025.02.01 更新日:2025.02.01
productの文字と男女のイラスト

稼働率向上PJチームのA.Mです。
現在、会社の新しいシステム開発プロジェクトの準備に取り組んでいます。その件に関して社長とちょっとしたお話をしていたのですが、社長の口から「システムを通して何を実現したいのかという点について、あらためて各部署としっかり連携を取るように」とアドバイスをいただきました。

それに対して私は「システムが各部署にとって使いやすいものとなるよう、実際に各部署で行なっている業務を、実際に自分でも体験させてもらいたいと思っています」と答えたのですが、私の答えがちょっとずれていたようでした。社長から「いや、使いやすさとかそういう話ではなくて…」と補足が入りました。

よいプロダクト、悪いプロダクト

開発したシステムには必ず利用者がいます。たとえ社内システムであっても、それは顧客(この場合は廣瀬製紙の従業員の皆)に提供するプロダクトと同じだと考えています。
そして素晴らしいプロダクトを作るためには、開発者自身がそのプロダクトの優れたユーザーになる必要があると考えています。実際に使い込んでこそ、改善点やより良いアイデアが生まれるものです。

ただそれは今回の社長の意図とは別の話で、そもそもの使いやすさといった表面的な部分以前に、システムを通して「何を実現したいのか」という本質的な部分がズレたまま進めてしまうことのないようにとアドバイスをくださっていたのでした。

社長のアドバイスをもとに、私なりに今後の方向性として気を付けなければならないなぁというのを下記にポイントとしてまとめました(社長の意図と間違っていたらスイマセン)。

  • ・システムを運用するにあたってもっとも重要なのは、個別の業務の最適化(課題解決)ではない。それ以上に、会社全体の業務の流れを改善することが重要。
  • ・そのためには、むしろ個別の業務単位でみれば負担が増えることもある(いままで行っていなかった記録をつけ始めるなど)。だがそれは全体最適のうえで必要だから発生するもの。
  • ・システムを導入するのは会社の利益を向上させるため。そのために会社の「血のめぐり」をよくすること。そのための全体の最適化が必要。
  • ・それを実現したうえで、スムーズに運用に乗せるためにユーザーが使いやすい操作であったり、個別の業務が効率化が実現できれば、さらに良い。

言葉にしてしまうとなんだか当たり前のことのように感じてしまうかもしれませんが、とても大切なことだなと思いました。
おそらく過去にそのようなシステムに関する経験が社長にはあったのでしょう。一つひとつの部署や業務の改善も大切ですが、それらを有機的につなぎ、会社全体としての業務効率を高めていく。それこそが、私たちが目指すべき方向性なのだとあらためて思いました。

会社の血のめぐりをよくすること

システム開発の真の目的は、個々の部署や業務の課題解決だけではありません。より大きな視点で見れば、会社全体の業務フローを最適化し、企業価値を高めることこそが最終目標です。

例えば、ある部署では今まで通りの方法で仕事を続けたいと考えるかもしれません。しかし、会社全体の効率を考えると、その部署にも新しい仕事の進め方を取り入れていただく必要があります。それは一時的には負担になるかもしれませんが、全体最適の視点では避けては通れない道なのです。

私たちが開発するシステムは、会社という生命体の「血液」のような存在です。スムーズな血流があってこそ、各器官(部署)が健全に機能し、組織全体が活性化します。
時には従来の仕事の仕方を見直し、新しい業務フローを構築することも必要不可欠なのです。
そのためには目の前のシステムだけを見ていてはダメで、会社全体の業務の流れをしっかりと理解しなければなりませんし、経営者的な目線も必要になってくるでしょう。

単なるシステム担当者としてではなくて、本当の意味でDX、すなわちデジタルによる変革を起こすために、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。

とはいえやはり使いやすさは大事

とはいっても、やはりシステムを作ったらそれをきちんと運用に乗せなければなりません。そのためには会社に属する一人ひとりの協力が必要ですし、使い勝手のよさは大事です。製造業においては現場で働く人間が業務を支えてくださっていますし、忙しい中でわずかな入力の煩わしさも大きな障害になることでしょう。
できる限り現場の負担を軽減できるかというところでは、例えば、直感的に操作できるUIの設計や、モバイル端末でさっと入力できる画面づくりなど、工夫のしどころはたくさんあります。
さらに一歩進んで、カメラによる画像認識を活用して数値を自動で読み取ったり、AIが判断して入力を支援したりするような仕組みの可能性も検討できるでしょう。理想は、人がやらなくても良い作業は極力システムに任せ、人は本当に必要な判断や業務に集中できる環境を作ることです。

終わりに

このように、会社全体の業務改善という大きな目的と、現場の使いやすさという現実的な要請の間で、バランスを取りながらシステムを作り上げていくことが、私たちの大切な使命だと考えています。 どちらも見失うことのないよう、常にシステムを作る目的に立ち返りながら、開発を進めていければと思います。