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自分が対象かも?国や自治体の給付金をAIで調査

公開日:2025.08.13 更新日:2025.08.20
PCでAIを使って給付金・助成金を調べる男性のイラスト

複雑で多岐に渡る制度

毎月の食費や光熱費の請求書を見るたびに、「また少し高くなってるな…」と感じる方も多いのではないでしょうか。ここ数年の物価上昇は、家計にとって確かに大きな負担です。特に、小さなお子さんがいるご家庭や、ご家族の介護をされている方にとっては、毎日のやりくりに頭を悩ませることもありますよね。

そんな中で、国や各自治体では様々な給付金や助成制度を用意しています。子育て世帯への臨時給付金、高齢者世帯への生活支援金、エネルギー価格高騰対策の補助金など、探してみると思った以上にたくさんの支援制度があります。

ただ問題は、制度の数が多く、情報もあちこちに散らばっているため「一体どれが自分に当てはまるの?」と迷ってしまうことです。国の制度だけでなく、都道府県、市区町村それぞれが独自の制度を設けているため、全体像を把握するのはなかなか難しいことかと思います。しかも、申請条件や所得制限なども複雑で、パッと見ただけでは自分が対象かどうか判断しにくいのが現実です。
役所のホームページを一つ一つ確認していくのも大変ですし、窓口に問い合わせをするのも時間がかかります。「きっと対象外だろう」と諦めてしまい、本当は受けられたはずの支援を見逃してしまうのはもったいないですよね。

そんな中で便利なのが、ChatGPTやGeminiといった生成AIの「Deep Research」機能です。
この機能を使えば、大まかな家庭の状況を入力するだけで、該当する可能性のある給付金や助成制度を効率的に見つけ出すことができます。人の手では何時間もかかる調査作業を、AIが自動で行ってくれるのです。
もちろん、最終的な確認は必要ですし、該当するすべての制度を網羅してくれるとは限らないので過信は禁物ですが、「どこから手をつければいいかわからない」という最初のハードルを大きく下げてくれる頼もしいツールと言えるでしょう。

DeepResearchとは

通常のChatGPTやGeminiでも調べ物はできますが、Deep Researchはさらに強力な機能を持っています。最大の違いは、人間が手作業でやるような「本格的な調査」をAIが代わりに行ってくれることです。
例えば、普通にChatGPTに「子育て世帯への給付金を教えて」と聞いても、一般的な制度しか教えてくれません。しかしDeep Researchなら、まず関連するキーワードを抽出し、複数の情報源を自動的に調べ回り、最新の制度や地域限定の支援まで幅広く収集してくれるのです。

特に給付金や助成金の調査で威力を発揮するのは、次のような点です。
まず、複数の情報源を横断的に検索してくれることです。国の省庁サイト、都道府県や市区町村のホームページ、最新の報道記事など、人間なら何時間もかけて巡回するような作業を、AIが自動で行います。しかも、普通の検索エンジンでは上位に出てこないような行政ページの奥深くにある情報も見つけ出してくれます。
次に、長時間かけて詳細に調査してくれる点も見逃せません。最大45分間という長時間をかけて、じっくりと情報を集めて分析してくれるため、「こんな制度もあったのか」という発見につながりやすいのです。
さらに、複数の候補を比較・整理して提示してくれるのも大きな特徴です。単に制度名を羅列するだけでなく、申請条件や支給額、申請期限などを分かりやすく整理し、あなたの状況に最も適した順番で教えてくれます。
最後に重要なのは、必ず出典を明示してくれることです。「この情報はどこから得たのか」が明確なので、後で公式サイトを確認する際にも迷わず済みます。給付金のような重要な情報では、この信頼性の高さは欠かせませんね。

こうした機能により、従来なら数日がかりの調査作業が、わずか数十分で完了します。忙しい子育て世代や働き盛りの方にとって、これほど心強いツールはないでしょう。

実際の使い方シナリオ

それでは、実際にChatGPTやGeminiのDeep Researchを使って、あなたに合った給付金や助成金を調べる方法をご紹介しましょう。手順はとても簡単で、3つのステップで完了します。

ステップ0:プライバシー設定を確認しよう
まず最初に、個人的な情報を扱うので、ChatGPTの設定を確認しておくことをおすすめします。ChatGPTなら、設定画面から「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」という項目をオフにしておきましょう。
Geminiであれば、メニューから「設定とヘルプ」→「アクティビティ」を選択し、「オフにする」ボタンをクリックします。
これで、あなたの個人情報が学習データとして使われることを防げます。

ステップ1:あなたの情報を整理しよう
次に、Deep Researchに質問するための情報を整理します。下記のプロンプトに沿って、必要情報を記載してください。


あなたは国・自治体・その他公的機関の給付金・助成金・減免制度に詳しい調査員です。
以下の条件に基づいて、受給できる可能性のある制度をできるだけ網羅的に調べてください。
必ず最新情報を参照し、公式サイトURLも併記してください。
制度名称・対象条件・支給額・申請先・締切をセットで出力してください。

【1】住所(都道府県・市区町村):
【2】家族構成(続柄・年齢・就労状況):
【3】世帯年収(概算)/所得税・住民税の課税状況:
【4】住宅の状況(持ち家/賃貸・住宅ローン有無・建築年など):
【5】就労・保険(職業・雇用保険・健康保険の種類・最近の転職退職など):
【6】病歴・医療関係(病名・難病助成・高額療養費制度・障害者手帳など):
【7】災害関連(被災歴・ハザードマップ該当有無・罹災証明など):
【8】子育て・扶養(人数・年齢・学校種別・支援利用状況など):
【9】地域・生活状況(移住歴・地域活動・農林漁業・起業予定など):
【10】過去の申請・受給歴:
【11】その他(特に調べたい制度や条件など):
下記に記載例も掲載しておきます。

あなたは国・自治体・その他公的機関の給付金・助成金・減免制度に詳しい調査員です。
以下の条件に基づいて、受給できる可能性のある制度をできるだけ網羅的に調べてください。
必ず最新情報を参照し、公式サイトURLも併記してください。
制度名称・対象条件・支給額・申請先・締切をセットで出力してください。

【1】住所(都道府県・市区町村):
例)XX県XX市

【2】家族構成(続柄・年齢・就労状況):
例)夫(自分):XX歳・会社員
  妻:XX歳・パート勤務
  子ども:なし

【3】世帯年収(概算)/所得税・住民税の課税状況:
例)世帯年収:約xx万円
  所得税:課税
  住民税:課税
  住民税非課税世帯:いいえ

【4】住宅の状況(持ち家/賃貸・住宅ローン有無・建築年など):
例)持ち家・住宅ローンあり(残高1,200万円)・2012年築
  固定資産税:支払い中

【5】就労・保険(職業・雇用保険・健康保険の種類・最近の転職退職など):
例)正社員・雇用保険加入あり・協会けんぽ加入
  転職なし・失業保険未受給

【6】病歴・医療関係(病名・難病助成・高額療養費制度・障害者手帳など):
例)XXX(難病指定)・難病医療費助成:受給中
  高額療養費制度:利用歴あり
  障害者手帳なし

【7】災害関連(被災歴・ハザードマップ該当有無・罹災証明など):
例)被災歴なし・ハザードマップ洪水区域内
  罹災証明なし

【8】子育て・扶養(人数・年齢・学校種別・支援利用状況など):
例)子どもなし

【9】地域・生活状況(移住歴・地域活動・農林漁業・起業予定など):
例)XXX市生まれ・今年7月にXXX県から引っ越し
  地域活動参加なし
  農林漁業経験なし
  起業予定なし

【10】過去の申請・受給歴:
例)難病医療費助成:2024年申請 → 受給中
  電気・ガス等物価高騰対応給付金:2023年受給済み

【11】その他(特に調べたい制度や条件など):
例)医療費負担軽減制度・高知市独自の住宅改修補助

ステップ2:Deep Researchで調査開始
情報が整理できたら、ChatGPTの画面で「Deep Research」ボタンをクリックして、プロンプトを貼り付けます。
入力後、AIからさらに詳しい質問をされることがあります。答えられる範囲で回答するか、「おまかせします」と答えても大丈夫です。しっかりとしたプロンプトを作成しているので、おまかせでも問題ないでしょう。

ステップ3:結果をしっかりと確認しよう
5〜15分程度で、あなたの条件に合いそうな制度のリストが完成します。国の制度から市区町村独自の支援まで、幅広く候補を挙げてくれるでしょう。ただし、ここで重要なのは「あくまで可能性の段階」だということです。

Deep Researchの結果は非常に有用ですが、最終的な確認は必ずあなた自身で行ってください。制度の詳細な条件や申請期限、必要書類などは、必ず公式サイトで確認したり、担当窓口に直接問い合わせたりしましょう。AIが見つけた情報が古かったり、条件を満たしていなかったりする場合もあります。
また、申請手続きが複雑な制度については、市区町村の窓口や専門家に相談することをおすすめします。せっかく見つけた制度を確実に活用するために、最後のひと手間を惜しまないことが大切ですね。

まとめ

国や自治体が用意している給付金や助成金制度は、実は私たちが思っている以上にたくさんあります。

子育て世帯向けの支援金から、高齢者の医療費助成、さらには省エネ家電の購入補助まで、生活のあらゆる場面で利用できる制度が存在しているんです。

生成AIのDeepResearch機能を使って大まかな家庭の状況を入力するだけで、該当する可能性がある制度を幅広く調べ上げてくれます。人間が数時間かけて調べるような作業を、わずか十数分で自動で完了してくれるのは本当に便利でありがたいですよね。

もちろん、AIが提示してくれた情報は「候補」として捉え、実際の申請前には必ずご自身で詳細な条件を確認することが大切です。
でも、まず「どんな制度があるのか」を知ることができれば、その後の手続きもスムーズに進められるはずです。

物価上昇が続く今だからこそ、使える制度はしっかりと活用したいもの。まずはご自分やご家族の状況を整理して、今日からでも受けられる支援がないか調べてみてください。